カタカムナ61首を読み解く
中心図象ヤタノカカミ 発生原理
動くものは水、動かす物は火
ア マ ア ワ ナ キ ハ ヤ ア キ ツ
ア・・・空中の水の靈也。無にして有也。五十連の総名也、天也、海也、吾也、自然(おのつから)也、◯也。
マ・・・火中の水の靈也。潤水也、向也、眼也、回也、間也、曲也、大也、広也、円也、甚也、狗也、多也、女也。
ア・・・空中の水の靈也。無にして有也。五十連の総名也、天也、海也、吾也、自然(おのつから)也、◯也。
ワ・・・水火の靈也。国土也、水火水(しほみず)也、水の◯(わ)也、万物の形を宰る也。
ナ・・・火水の靈也。和也、女也、流也、下知也、正中の靈也、凝也、双也、頭也、無也、生也、鳴也、汝也、過去、現在、未来にわたる靈也、納也。
キ・・・影の火の靈也。氣(いき)也、正中也、限也、生也、草也、貴也、来也、香也、土。
ハ・・・正火の靈也。地の方(けた)を宰る也、端也、角也、実也、初也、発也、出入息の両を宰る也、土也、髪也、広也、ワに唱うる時は◯の心をなす也。
ヤ・・・火水の靈也。文(あや)也、和也、沼也、家也、否也、水火の両を宰る也、反(うらはら)の義をなす也。
ア・・・空中の水の靈也。無にして有也。五十連の総名也、天也、海也、吾也、自然(おのつから)也、◯也。
キ・・・影の火の靈也。氣(いき)也、正中也、限也、生也、草也、貴也、来也、香也、土。
ツ・・・火中の水の靈也。渦巻也、列(つらなる)也、続也、積也、約也。
アマアワナキ・・・空中の水靈のゆえに、無にして有なり、 万物を納めて◯和をもって万事正中をなし形なき真の火水、形顕す。
ハヤアキツ・・・自ら開き、放ち、睦み 自ずから和(やわ)らき、自らは軽くして、他は重し。軽きは空中の水のように自らをアという。そして、形を現すのいき盛者必衰にして、必ず限り有。形なきのいきは、不去不来にして、限り無きか故に隠れ身は限り無く続く。
解説
空中の水靈のゆえに、無にして有なり、万物を納めて◯和をもって万事正中をなし形なき真の火水、形顕す。
自ら開き、放ち、睦み 自ずから和(やわ)らき、自らは軽くして、他は重し。軽きは空中の水のように自らをアという。そして、形を現すのいき盛者必衰にして、必ず限り有。形なきのいきは、不去不来にして、限り無きか故に隠れ身は限り無 きが故に、空中の水靈にして、御身(みみ)を現さるる。天津神の故に、限也の法則なし。続く。
ヨ モ ツ チ カ へ シ
ヨ・・・水火の靈也。与也、女男の契也、淀也、齢也、下知也。
モ・・・火中の水の靈也。潤水也 、舫(もやう)也、塊也、亦(また)也、者也、累(かさなる)也、与也。
ツ・・・火中の水の靈也。渦巻也、列(つらなる)也、続也、積也、約也。
チ・・・水中の火の靈也。胎内の火の靈也。血也、地中の火也、草也、剣也、風也、父の靈(たま)也、息の本也、五穀也、鳥の靈(たま)也、一也、年、月、日、時の靈(たま)也、隔限也。
カ・・・煇火の靈也。影也、別也、香也、必也、黒也、暗也、大也、上也、数也、疑也、高也、限也、如是也、陽の昇也、家也、草也、是有也、搦也。
へ・・・正火の靈也。膨也、隔也、経也、緯也。
シ・・・昇る水の靈也。始也、終也、死也、己也、幸也、司也、育也、石也、出水也、印也、進也、繁也、為限(しきる)也。
ヨモツチカヘシ・・・世もまた列なるものはついにつつまり、つつまるものは又開て続く故に、続くものにあれば、約まることなし。きれきれなるものは、必ず約まらぬ 一に百千集まり、確かに見分け、朧(おぼろ)なき 一粒の籾、陽の火の為に、芽をふかんとして、まず脹れ立つ。動くものは水にして、動かしむる物は火なり。火の為に水動かされて、初めて形を現して昇る。これ、古事記神代の巻の神秘也。
解説
世もまた列なるものはついにつつまり、つつまるものは又開て続く故に、続くものにあれば、約まることなし。きれきれなるものは、必ず約まらぬ 一に百千集まり、確かに見分け、朧(おぼろ)なき 一粒の籾、陽の火の為に、芽をふかんとして、まず脹れ立つ。動くものは水にして、動かしむる物は火なり。火の為に水動かされて、初めて形を現して昇る。これ、古事記神代の巻の神秘也。
ヤ ホ ウ ツ シ ツ ミ カ シ ラ ハ ラ
ヤ・・・火水の靈也。文(あや)也、和也、沼也、家也、否也、水火の両を宰る也、反(うらはら)の義をなす也。
ホ・・・正火の靈也。母也、火浮(ほのめく)也、尖也、天地万物の初也、陰門也、臍(ほ(へ)そ)也、袋也、ヽ(ほし)也。
ウ・・・空中の水の靈也。浮き昇る也、動也、生也、暗也。
ツ・・・火中の水の靈也。渦巻也、列(つらなる)也、続也、積也、約也。
シ・・・昇る水の靈也。始也、終也、死也、己也、幸也、司也、育也、石也、出水也、印也、進也、繁也、為限(しきる)也。
ツ・・・火中の水の靈也。渦巻也、列(つらなる)也、続也、積也、約也。
ミ・・・火中の水の靈也。潤水也、正中を宰る也、月の靈也、貴也、虫也、五穀也、渦巻也、暗也。
カ・・・煇火の靈也。影也、別也、香也、必也、黒也、暗也、大也、上也、数也、疑也、高也、限也、如是也、陽の昇也、家也、草也、是有也、搦也。
シ・・・昇る水の靈也。始也、終也、死也、己也、幸也、司也、育也、石也、出水也、印也、進也、繁也、為限(しきる)也。
ラ・・・濁水の靈也。降也、涎也、唾也。
ハ・・・正火の靈也。地の方(けた)を宰る也、端也、角也、実也、初也、発也、出入息の両を宰る也、土也、髪也、広也、ワに唱うる時は◯の心をなす也。
ラ・・・濁水の靈也。降也、涎也、唾也。
ヤホウツシツミ・・・すべての物のくみ袋(知恵袋)生まれ続け 水始めをなすの法則渦巻き正中をつかさどる。
カシラハラ・・・別つ 自然の理(ことわり)をもって始まりと終わり 澄むは上り、濁るは降り開く 水は本澄めるものなれども、その水に土塊を交じる故に、水の澄めるを失う。
解説
すべての物のくみ袋(知恵袋)生まれ続け 水始めをなすの法則渦巻き正中をつかさどる。
別つ 自然の理(ことわり)をもって始まりと終わり 澄むは上り、濁るは降り開く 水は本澄めるものなれども、その水に土塊を交じる故に、水の澄めるを失う。
61首の解説
ア マ ア ワ ナ キ ハ ヤ ア キ ツ
空中の水靈のゆえに、無にして有なり、万物を納めて◯和をもって万事正中をなし形なき真の火水、形顕す。
自ら開き、放ち、睦み 自ずから和(やわ)らき、自らは軽くして、他は重し。軽きは空中の水のように自らをアという。そして、形を現すのいき盛者必衰にして、必ず限り有。形なきのいきは、不去不来にして、限り無きか故に隠れ身は限り無 きが故に、空中の水靈にして、御身(みみ)を現さるる。天津神の故に、限也の法則なし。続く。
【現代語訳】
火水の民は、空中の中にある水分のように変化してゆく、無にして有である。つまり、考えを固定して変化に対応できなくなるのではなく、その時、その場面に合わせ流動的な対応をしていくということ。
万物を納め、侵略に対して武力でぶつかることは犠牲者をより多く出し、終わることのない戦いを招いてしまう。
◯和をもって万事の正中を歩む、衝突することなく受け流し、自らが立ち回り、中庸の道を常に選択してゆく。
変幻自在で柔軟な思考を持ち、固定的にならなければ、解決の糸口が形となって顕れてくる。
自ずから開き、放ち、睦み、自ずから和(やわ)らき、自ら道を開き、動き、睦み、柔軟に、自らは動くことは軽く、他を動かそうとしても重い。
自らは軽く、空中の水のように変幻自在。
そして、形を現すイキの盛んな者(侵略者)は必ず衰(おとろえる)そして、限りが有る。
形ないイキは、不去不来にして、限り無ないが故に、隠れ身は限りが無い。
空中の水のように形体を変化させ、御身(みみ)を現せる天津神の故に、限があるという法則には当てはまらないために永遠に続く。
ヨ モ ツ チ カ へ シ
世もまた列なるものはついにつつまり、つつまるものは又開て続く故に、続くものにあれば、約まることなし。きれきれなるものは、必ず約まらぬ 一に百千集まり、確かに見分け、朧(おぼろ)なき 一粒の籾、陽の火の為に、芽をふかんとして、まず脹れ立つ。動くものは水にして、動かしむる物は火なり。火の為に水動かされて、初めて形を現して昇る。これ、古事記神代の巻の神秘也。
【現代語訳】
世というのも永く続けば、衰退の時がくる、衰退するものはまた開けてそれを繰り返す。
続くということは衰退したとしても終わることはない。
正中を歩むものは必ず終わることがなく続く。一人の正中に多くのものが集まり、確かに見分け、確信を持てる。一つの選択も真の火があれば、芽を今にも出すように脹れ立ってくる。
動くものは水であり、動かす物は火である。ここでは、動くものは侵略された先住民(水)であり、侵略してきた新人類は動かす者(火)である。
火の為に水動かされて、初めて形を現して昇る。
これ、古事記神代の巻の神秘也。
ヤ ホ ウ ツ シ ツ ミ カ シ ラ ハ ラ
すべての物のくみ袋(知恵袋)生まれ続け 水始めをなすの法則渦巻き正中をつかさどる。
別つ 自然の理(ことわり)をもって始まりと終わり 澄むは上り、濁るは降り開く 水は本澄めるものなれども、その水に土塊を交じる故に、水の澄めるを失う。
【現代語訳】
森羅万象の理(ことわり)を理解したものの知恵は、生まれ続ける。
水始めをなすの法則は、渦巻き正中をつかさどる。
自然の理(ことわり)をもって始まりと終わりが別れる。
澄むは上り、濁るは降りそれそれの道を開く。
水は本来、澄んだものだけれども、その水に土塊を交じる故に、水の澄めるを失う。
あとがき
前章では天之御中主の正中、中庸の偉大さを現していたが、61首では万物想像の原理であるカタカムナの法則をこの場面でも適応させている。
火力を持って侵略してくる敵でさえも和の心をもって対応する。
その心は、水は動かされるもので火は動かすものであり、水は火によって形体を変化させ流動的に列なってゆくという森羅万象の理(ことわり)。
形を固定せずに変化させ形無き循環には終わりがなく、形あるものには必ず終わりが来るという摂理だ。
自らを固定せずに動かすことは軽く、他を動かすことは重い。
この思想はまさにカタカムナから生み出されたという合気道の如くの立ち振る舞いだ。武力を持って侵略してきた相手に武力で衝突するということは火と火をぶつけ合うという森羅万象の理(ことわり)とは合致しないものになってしまう。
自らを水の如くに流動的にすることで変化し、新たなる物を生み出してゆく。カタカムナの原理を持ってすれば、いかなる状況であれ柔軟に変化し対応し永遠に循環を繰り返して行ける宇宙の黄金律ともいうべき人の在り方ではないだろうか。
今、まさに人類は大きな転換点を迎えている。この時代にカタカムナの森羅万象の理(ことわり)を適応させることで終わりに見える状況下でも、それが始まりとして新たな創造を生み出すことができるのではないだろうか。