般若心經祕鍵の第2公開単位「分別諸乘分」を空海著作原典・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。
1. 中立的な定義
般若心經祕鍵の第2公開単位「分別諸乘分」を空海著作原典・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。
2. 書誌・著者・底本・対象範囲
T57 No.2203A, p.11a–p.12c/対象:T57 No.2203A, p.11a–p.12c
3. 原典
第二分別諸乘分亦五。建・絶・相・二・一是也」初建者。所謂建立如來三摩地門是。色不異空ト云ヨリ至亦復如是是也。建立如來即普賢菩薩祕號。普賢圓因以圓融三法爲宗。故以名之。又是一切如來菩提心行願之身。頌曰
色空本不二 事理元來同
無礙融三種 金水喩其宗
二絶者。所謂無戲論如來三摩地門是也。是諸法空相ト云ヨリ至不増不減是。言無戲論如來。即文殊菩薩密號。文殊利劍能揮八不絶彼妄執之心乎。是故以名。頌曰
八不絶諸戲 文殊是彼人
獨空畢竟理 義用最幽眞
三相者。所謂摩訶栴多羅冐地薩怛嚩三摩地門是也。是故空中無色ト云ヨリ至無意識界是也。大慈三昧以與樂爲宗。示因果爲誡。相性別論。唯識遮境。心只在此乎。頌曰
二我何時斷 三祇證法身
阿陀是識性 幻影即名賓
四二者。唯蘊無我拔業因種是也。是即二乘三摩地門也。無無明ト云ヨリ至無老死盡。即是因縁佛之三昧。頌曰
風葉知因縁 輪迴覺幾年
露花除種子 羊鹿號相連
無苦集滅道。此是一句五字即依聲得道之三昧頌曰
白骨我何在 青瘀人本無
吾師是四念 羅漢亦何虞
五一者。阿哩也嚩路枳帝冐地薩怛嚩之三摩地門也。無智ト云ヨリ至無所得故是也。此得自性清淨如來。以一道清淨妙蓮不染。開示衆生拔其苦厄。智擧能達。得名所證。既泯理智。強以一名。法華・涅槃等攝末歸本教。唯含此十字。諸乘差別智者察之。頌曰
觀蓮知自淨 見菓覺心徳
一道泯能所 三車即歸默
真相現代語訳
第二の分別諸乗分にも五つがある。空海はこれを「建・絶・相・二・一」と名づける。
第一の「建」は、建立如来、すなわち普賢菩薩の三摩地である。「色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受想行識亦復如是」を、事と理が本来不二で、互いに妨げず円融する門として読む。
【頌】色と空は本来二つではなく、事と理はもとから同じである。三種の円融は妨げなく、水と金獅子の譬えがその宗を示す。
第二の「絶」は、無戯論如来、すなわち文殊菩薩の三摩地である。「是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減」を、八不の智慧によって妄執と戯論を絶つ門として読む。
【頌】八不はすべての戯論を絶ち、その人は文殊である。独空・畢竟の理は、その義と働きが最も深い。
第三の「相」は、摩訶弥勒菩薩の三摩地である。「是故空中無色」から「無意識界」までを、因果と相・性を分別し、外境への執着を遮って識の働きを明らかにする門として読む。
【頌】人我・法我はいつ断たれるのか。三阿僧祇劫を経て法身を証する。阿陀那識は識の根本であり、幻のような現れは仮の客名である。
第四の「二」は、声聞・縁覚の二乗である。「無無明亦無無明尽」から「無老死亦無老死尽」は、十二因縁を観ずる縁覚の三摩地。「無苦集滅道」は四諦を聞いて道を得る声聞の三摩地である。
【頌】風に散る葉を見て因縁を知り、輪廻の歳月に目覚める。露や花の無常を観て種子を除き、羊車・鹿車の二乗の名が連なる。白骨を観れば「我」はどこにあるのか。青瘀を観れば人の固定本体もない。四念処を師として、阿羅漢は何を恐れようか。
第五の「一」は、観自在菩薩の三摩地である。「無智亦無得、以無所得故」を、清浄な一乗の蓮華が能取・所取を泯じ、末を本へ帰す門として読む。智慧は能く達する側、得は証される境を指すが、究竟には両者の二分を超える。
【頌】蓮を観て自性の清浄を知り、果を見て心の徳に目覚める。一道は能と所を泯じ、三車は一つへ帰って言葉を離れる。
言灵構造解読
◆ 諸宗排除ではなく「一経内の配置」
空海は諸宗を心経の特定句に配し、一つの経の中にそれぞれの三摩地門を置く。優劣だけでなく、働きの違いを曼荼羅化する。
◆ 色空不二は虚無ではない
色が消えて空だけになるのではなく、事と理が妨げなく相即する。現象を否定せず、固定実体への執着を解く。
◆ 無智無得は最後の二分を外す
智慧を所有する私と、獲得される悟りを分ける構図を解く。智慧が無くなるのではなく、所有化が止まる。
⚠ HOLD|断定しない事項
・各宗派への配当は空海の密教的判釈であり、現代の宗派史をそのまま記述するものではない。
・偈中の「阿陀」等はNo.2203Bの注釈を参照したが、語形・訓は別途校訂余地がある。
10|行人得益分—人と法
原典
4. 検索用正規化本文
原典表記を検索可能な文字列として保持する。意味を変える自動置換は行わない。
5. 訓読・語法・異体字
異体字・旧字体・歴史的仮名遣いを原典欄に保存し、校異が未確定の箇所は断定しない。
6. 現代語訳
上の校合記録内で「真相現代語訳」と表示した部分が天聞作成の訳文です。
7. 文献・教学上の文脈
空海著作の作品内構造と密教教学上の文脈を優先し、後代注釈やTENMON比較を空海本人の文へ混入させません。
8. TENMON言灵構造解読
上の校合記録内で「言灵構造解読」と表示した部分です。原典本文から独立しています。
9. 比較研究
言灵秘書・古事記・カタカムナとの照合はTENMON比較研究であり、空海がそれらを直接解読したという歴史主張ではありません。
10. 未確定事項・反証・HOLD
未検証の悉曇字形・サンスクリット語形・歴史的直接継承を断定しません。
11. 証拠・確度
空海著作原典=A0、天聞作成の訳・整理=A1、TENMON構造解読=E5、比較仮説=E6。
12. 出典・巻・頁・行
T57 No.2203A, p.11a–p.12c