聲字實相義の第10公開単位「第十章 『瑜伽論』の色聚――形は孤立粒子でなく関係の集合として生じる」を空海著作原典・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。
1. 中立的な定義
聲字實相義の第10公開単位「第十章 『瑜伽論』の色聚――形は孤立粒子でなく関係の集合として生じる」を空海著作原典・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。
2. 書誌・著者・底本・対象範囲
T77 No.2429, p.401c02–p.404b10/対象:T77 No.2429, p.401c02–p.404b10
3. 原典
瑜伽論云。今當先説色聚諸法問一切諸法生皆從自種而起。云何説諸大種能生所造色耶。云何造色依彼。彼所建立。彼所任持。彼所長養耶答。由一切内外大種及所造色種子皆悉依附内相續心。乃至諸大種子未生諸大以來。造色種子終不能生造色。要由彼生造色方從自種子生。是故説彼能生造色。由彼生爲前導故。由此道理説諸大種爲彼生因。云何造色依於彼耶。由造色生已不離大種處而轉故。云何彼所建立。由大種損益彼同安危故。云何彼所任持。由隨大種等量不壞故。云何彼所長養。由因飮食睡眠修習梵行三摩地等。依彼造色倍復増廣故。説大種爲彼長養因。如是諸大種望所造色有五種作用應知。復次於色聚中曾無極微生。若從自種生時唯聚集生。或細或中或大。又非極微集成色聚。但由覺慧分析諸色。極量邊際分別。假立以爲極微。又色聚亦有方分極微亦有方分。然色聚有分非極微。何以故。由極微即是分。此是聚色所有。非極微復有餘極微。是故極微非有分相。又不相離有二種。一同處不相離。謂大種極微與色香味觸等。於無根處有離根者。於有根處有有根者。是名同處不相離。二和雜不相離。謂即此大種極微與餘聚集能造所造色處倶故。是名和雜不相離。又此遍滿聚色應知。如種種物石磨爲末以水和合互不相離。非如胡麻緑豆粟稗等聚。又一切所造色皆即依止大種處不過大種處量。乃至大種所據處所諸所造色還即據此。由此因縁説所造色依於大種。即以此義説諸大種名爲大種。由此大種其性大故。爲種生故。又於諸色聚中略有十四種事。謂地水火風色聲香味觸及眼等五根。唯除意所行色 云云 又立十種色。具如彼説。
4. 検索用正規化本文
原典表記を検索可能な文字列として保持する。意味を変える自動置換は行わない。
5. 訓読・語法・異体字
異体字・旧字体・歴史的仮名遣いを原典欄に保存し、校異が未確定の箇所は断定しない。
6. 現代語訳
『瑜伽論』は色の集合を説く。すべての法が自身の種子から起こるのに、なぜ大種が所造色を生むというのか。内外の大種と所造色の種子は内なる相続心に依り、大種がまだ生じない間は所造色の種子だけでは所造色を生じない。大種が前導となって初めて所造色も自身の種子から生じるため、大種を生因という。所造色が大種に依るのは、大種の場所を離れないから。大種に建立されるのは、大種の損益と安危を共にするから。保持されるのは、大種と等しい量に従い壊れないから。養われるのは、飲食・睡眠・梵行・三摩地などにより増大するからである。この五作用を知るべきである。また色聚の中に極微が一個だけ生じることはなく、細・中・大いずれかの集合として生じる。色聚が実在する極微の単純な寄せ集めでできるのでもなく、智慧によって色を分析し、量の限界を仮に極微と立てる。色聚には方分があり、極微も方位との関係をもつが、部分を持つのは集合であり、極微はそれ自体が集合の一部分で、その内部にさらに極微があるのではない。互いに離れないあり方には、同じ場所に大種と色香味触などがある同処不相離と、大種と能造・所造色が混じり合う和雑不相離がある。それは粉を水に混ぜたように遍満し、種子をただ積んだものとは違う。所造色は大種の場所と量を越えない。大種は性が大で、種として他を生むので大種という。色聚には地水火風・色声香味触・眼耳鼻舌身の五根、計十四事があり、意識だけを対象とする色を除く。別に十種の色も立てる。
漢文語法・空海教学
この長い引用は、色文字を主観的な比喩にせず、現象が条件関係の中で集合として成立することを論証する。
「非極微集成色聚」は、単純な粒子加算モデルを退け、極微を分析上の仮設として扱う。
能造・所造は、単独原因と単独結果ではなく、生起・依止・建立・保持・長養の複数関係に分けられる。
サンスクリット照明
大種 mahābhūta、所造色 upādāya-rūpa、極微 paramāṇu の概念圏。引用は漢訳『瑜伽師地論』系の術語関係として扱う。
三摩地 samādhi。身体的色の長養に修行も含むため、物質と心の相続を切断しない。
7. 文献・教学上の文脈
空海著作の作品内構造と密教教学上の文脈を優先し、後代注釈やTENMON比較を空海本人の文へ混入させません。
8. TENMON言灵構造解読
言灵秘書の水火も、孤立した二物ではなく、互いの中に入り、凝り、流れ、発する関係相である。色聚の同処不相離・和雑不相離は、関係が形を成立させる点で照応する。
ただし、水火を現代物理の粒子やエネルギーへ直接換算しない。ここでの照応は、単独実体より関係と生成を先に置く構造に限る。
形は静止物ではなく、種子・心相続・大種・感覚器官・対象が同時に支え合う一時的な凝りである。
9. 比較研究
言灵秘書・古事記・カタカムナとの照合はTENMON比較研究であり、空海がそれらを直接解読したという歴史主張ではありません。
10. 未確定事項・反証・HOLD
未検証の悉曇字形・サンスクリット語形・歴史的直接継承を断定しません。
11. 証拠・確度
空海著作原典=A0、天聞作成の訳・整理=A1、TENMON構造解読=E5、比較仮説=E6。
12. 出典・巻・頁・行
T77 No.2429, p.401c02–p.404b10