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古事記 上巻 上巻 第六章 伊邪那美の神避り・黄泉国・黄泉比良坂|原文・現代語訳・TENMON解読

上巻の第6公開単位「上巻 第六章 伊邪那美の神避り・黄泉国・黄泉比良坂」を原文・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。

1. 中立的な定義

上巻の第6公開単位「上巻 第六章 伊邪那美の神避り・黄泉国・黄泉比良坂」を原文・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。

2. 書誌・著者・底本・対象範囲

Word正本『古事記原文言灵完全解読|序文から推古天皇まで|全三巻統合研究版V5』

3. 原典

上巻 第六章 伊邪那美の神避り・黄泉国・黄泉比良坂

原文

凡伊邪那岐、伊邪那美二神、共所生嶋壹拾肆嶋、神參拾伍神。是伊邪那美神、未神避以前所生。唯意能碁呂嶋者、非所生。亦姪子與淡嶋、不入子之例也。
故爾伊邪那岐命詔之「愛我那邇妹命乎那邇二字以音、下效此」謂「易子之一木乎」乃匍匐御枕方、匍匐御足方而哭時、於御淚所成神、坐香山之畝尾木本、名泣澤女神。故、其所神避之伊邪那美神者、葬出雲國與伯伎國堺比婆之山也。
於是伊邪那岐命、拔所御佩之十拳劒、斬其子迦具土神之頸。爾著其御刀前之血、走就湯津石村、所成神名、石拆神、次根拆神、次石筒之男神。三神次著御刀本血亦、走就湯津石村、所成神名、甕速日神、次樋速日神、次建御雷之男神、亦名建布都神布都二字以音、下效此、亦名豐布都神。三神次集御刀之手上血、自手俣漏出、所成神名訓漏云久伎、闇淤加美神淤以下三字以音、下效此、次闇御津羽神。
上件自石拆神以下、闇御津羽神以前、幷八神者、因御刀所生之神者也。
所殺迦具土神之於頭所成神名、正鹿山上津見神。次於胸所成神名、淤縢山津見神。淤縢二字以音。次於腹所成神名、奧山上津見神。次於陰所成神名、闇山津見神。次於左手所成神名、志藝山津見神。志藝二字以音。次於右手所成神名、羽山津見神。次於左足所成神名、原山津見神。次於右足所成神名、戸山津見神。自正鹿山津見神至戸山津見神、幷八神。故、所斬之刀名、謂天之尾羽張、亦名謂伊都之尾羽張。伊都二字以音。
於是、欲相見其妹伊邪那美命、追往黃泉國。爾自殿騰戸出向之時、伊邪那岐命語詔之「愛我那邇妹命、吾與汝所作之國、未作竟。故、可還。」爾伊邪那美命答白「悔哉、不速來、吾者爲黃泉戸喫。然、愛我那勢命那勢二字以音、下效此入來坐之事恐。故、欲還、且與黃泉神相論。莫視我。」如此白而還入其殿內之間、甚久難待、故、刺左之御美豆良三字以音、下效此湯津津間櫛之男柱一箇取闕而、燭一火入見之時、宇士多加禮許呂呂岐弖此十字以音、於頭者大雷居、於胸者火雷居、於腹者黑雷居、於陰者拆雷居、於左手者若雷居、於右手者土雷居、於左足者鳴雷居、於右足者伏雷居、幷八雷神成居。
於是伊邪那岐命、見畏而逃還之時、其妹伊邪那美命言「令見辱吾。」卽遣豫母都志許賣此六字以音令追、爾伊邪那岐命、取黑御𦆅投棄、乃生蒲子。是摭食之間、逃行、猶追、亦刺其右御美豆良之湯津津間櫛引闕而投棄、乃生笋。是拔食之間、逃行。
且後者、於其八雷神、副千五百之黃泉軍、令追。爾拔所御佩之十拳劒而、於後手布伎都都此四字以音逃來、猶追、到黃泉比良此二字以音坂之坂本時、取在其坂本桃子三箇待擊者、悉迯返也。爾伊邪那岐命、告其桃子「汝、如助吾、於葦原中國所有宇都志伎此四字以音青人草之落苦瀬而患惚時、可助。」告、賜名號、意富加牟豆美命。自意至美以音。
最後、其妹伊邪那美命、身自追來焉。爾千引石引塞其黃泉比良坂、其石置中、各對立而、度事戸之時、伊邪那美命言「愛我那勢命、爲如此者、汝國之人草、一日絞殺千頭。」爾伊邪那岐命詔「愛我那邇妹命、汝爲然者、吾一日立千五百產屋。」是以、一日必千人死・一日必千五百人生也。故、號其伊邪那美神命、謂黃泉津大神。亦云、以其追斯伎斯此三字以音而、號道敷大神。亦所塞其黃泉坂之石者、號道反大神、亦謂塞坐黃泉戸大神。故、其所謂黃泉比良坂者、今謂出雲國之伊賦夜坂也。
是以、伊邪那伎大神詔「吾者到於伊那志許米上志許米岐此九字以音穢國而在祁理。此二字以音。故、吾者爲御身之禊」而、到坐竺紫日向之橘小門之阿波岐此三字以音原而、禊祓也。

標準現代語訳

伊邪那岐命と伊邪那美命が生んだものは、島十四、神三十五と数えられます。ただし淤能碁呂島は二柱が直接生んだ島ではなく、水蛭子と淡島も子の数には入りません。伊邪那美命が神避ると、伊邪那岐命は枕元と足元を這いながら泣き、その涙から泣沢女神が生まれました。伊邪那美命は出雲国と伯伎国の境にある比婆山に葬られました。
伊邪那岐命は十拳剣で火之迦具土神を斬りました。剣の先、根元、手元についた血から、石拆神、根拆神、石筒之男神、甕速日神、樋速日神、建御雷之男神、闇淤加美神、闇御津羽神が生まれました。また迦具土神の身体から、正鹿山津見神をはじめとする八柱の山津見神が生まれました。剣は天之尾羽張、または伊都之尾羽張と呼ばれました。
伊邪那岐命は伊邪那美命に会うため黄泉国へ追って行き、「私たちの国造りはまだ終わっていない。帰ってほしい」と求めました。伊邪那美命は、すでに黄泉の食物を食べたため、黄泉の神々と相談する間は自分を見ないようにと言いました。しかし伊邪那岐命は待ちきれず、櫛の歯に火を灯して見ました。そこには変わり果てた伊邪那美命の身体と、頭・胸・腹・陰・手足に宿る八雷神がありました。
伊邪那岐命が恐れて逃げると、伊邪那美命は黄泉醜女、八雷神、黄泉軍を追わせました。伊邪那岐命は髪飾りや櫛を投げ、そこから生じた実や筍を追手に食べさせて時間を稼ぎました。黄泉比良坂では桃の実で追手を退け、桃に意富加牟豆美命という名を与え、人々が苦しむ時に助けるよう命じました。
最後に伊邪那美命自身が追って来たため、伊邪那岐命は千引石で黄泉比良坂を塞ぎ、石を隔てて言葉を交わしました。伊邪那美命が「一日に千人を死なせる」と言うと、伊邪那岐命は「一日に千五百の産屋を立てる」と答えました。こうして死と誕生の定めが語られ、伊邪那美命は黄泉津大神、道敷大神と呼ばれ、坂を塞いだ石は道反大神・塞坐黄泉戸大神と呼ばれました。伊邪那岐命は、穢れた国から戻った自分を清めるため、筑紫日向の橘小門の阿波岐原で禊を行うことにしました。

言灵深層解読

伊邪那美命の神避りは、存在が無になることではなく、生成を担う側から、死と変化の境界を担う側へ移ることである。伊邪那岐命の涙から神が生まれるように、悲しみもまた新しい働きを生む。しかし悲しみをそのまま力へ変えようとした時、迦具土神を斬る激しい分離が起こる。剣は単に敵を殺す道具ではなく、同じ場に置けなくなったものを切り分ける働きとして現れる。
黄泉国では、伊邪那美命はすでに別の秩序に属している。「黄泉戸喫」は、食べることによってその世界の関係へ組み込まれたことを示す。伊邪那岐命が願っても、以前と同じ形のまま連れ戻すことはできない。変化したものを、記憶の姿へ無理に戻そうとする時、両者の間に破れが生じる。
「見るな」という約束を破った場面は、見ること自体を否定するのではない。相手の変化を受け取る準備も、合意もないまま、秘密を暴く視線が関係を壊すのである。言灵的には、言葉と見る行為が一致しなければ、信頼は保てない。真相を知ることと、相手の境界を侵すことは同じではない。
黄泉比良坂の千引石は、生と死を完全に断絶させる壁であると同時に、互いの領域を侵さないための境界契約である。石を隔てて交わされた「千の死」と「千五百の誕生」は、死を消す約束ではない。死がある世界でなお、生が死を上回るように産屋を立て続けるという、生の側の応答である。
桃が追手を退け、後に人を助ける名を与えられることも重要である。日常の果実が、正しい時と場で境界を守る力になる。古事記の神聖さは、遠い天上だけにあるのではなく、食、木、石、水といった身近なものに働きとして現れる。

4. 検索用正規化本文

原文欄の歴史的字体を保存しつつ、ページ内検索ではUnicode文字列として扱います。

5. 訓読・語法・異体字

正本に記録された表記を優先し、古訓・異体字の一意確定は外部校本照合までHOLDします。

6. 現代語訳

上の段落対応資料で「標準現代語訳」と明示した部分が天聞作成の訳文です。原文・TENMON解読とは見出しで分離しています。

7. 文献・教学上の文脈

『古事記』の巻・章・物語順序は正本V5の構造に従います。

8. TENMON言灵構造解読

上の段落対応資料で「言灵深層解読」と明示した部分です。古事記原文や太安萬侶の注釈としては扱いません。

9. 比較研究

比較は構造上の対応として示し、同一起源・直接継承・史的同一性の証明には用いない。

10. 未確定事項・反証・HOLD

固有名詞の古訓、史的年代・場所・系譜、他伝承との直接同一性は必要な一次資料照合が終わるまでHOLDです。

11. 証拠・確度

原典=A0、天聞作成の現代語訳=A1、TENMON構造解読=E5、比較仮説=E6として分離する。

12. 出典・巻・頁・行

上巻 第6単位

13. 関連項目

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