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古事記 上巻 上巻 第十章 葦原中国の平定・国譲り|原文・現代語訳・TENMON解読

上巻の第10公開単位「上巻 第十章 葦原中国の平定・国譲り」を原文・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。

1. 中立的な定義

上巻の第10公開単位「上巻 第十章 葦原中国の平定・国譲り」を原文・現代語訳・TENMON解読に分けて読むページです。

2. 書誌・著者・底本・対象範囲

Word正本『古事記原文言灵完全解読|序文から推古天皇まで|全三巻統合研究版V5』

3. 原典

上巻 第十章 葦原中国の平定・国譲り

原文

天照大御神之命以「豐葦原之千秋長五百秋之水穗國者、我御子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命之所知國。」言因賜而天降也。於是、天忍穗耳命、於天浮橋多多志此三字以音而詔之「豐葦原之千秋長五百秋之水穗國者、伊多久佐夜藝弖此七字以音有那理此二字以音、下效此。」告而、更還上、請于天照大神。
爾高御產巢日神・天照大御神之命以、於天安河之河原、神集八百萬神集而、思金神令思而詔「此葦原中國者、我御子之所知國、言依所賜之國也。故、以爲於此國道速振荒振國神等之多在。是使何神而、將言趣。」爾思金神及八百萬神、議白之「天菩比神、是可遣。」故、遣天菩比神者、乃媚附大國主神、至于三年、不復奏。
是以、高御產巢日神・天照大御神、亦問諸神等「所遣葦原中國之天菩比神、久不復奏。亦使何神之吉。」爾思金神答白「可遣天津國玉神之子、天若日子。」故爾、以天之麻迦古弓自麻下三字以音・天之波波此二字以音矢、賜天若日子而遣。於是、天若日子、降到其國、卽娶大國主神之女、下照比賣、亦慮獲其國、至于八年、不復奏。
故爾、天照大御神・高御產巢日神、亦問諸神等「天若日子、久不復奏。又遣曷神以問天若日子之淹留所由。」於是諸神及思金神、答白「可遣雉名鳴女」時、詔之「汝、行問天若日子狀者、汝所以使葦原中國者、言趣和其國之荒振神等之者也、何至于八年不復奏。」
故爾鳴女、自天降到、居天若日子之門湯津楓上而、言委曲如天神之詔命。爾天佐具賣此三字以音聞此鳥言而、語天若日子言「此鳥者、其鳴音甚惡。故、可射殺。」云進、卽天若日子、持天神所賜天之波士弓・天之加久矢、射殺其雉。爾其矢、自雉胸通而、逆射上、逮坐天安河之河原、天照大御神・高木神之御所。是高木神者、高御產巢日神之別名。
故、高木神、取其矢見者、血著其矢羽。於是、高木神告之「此矢者、所賜天若日子之矢。」卽示諸神等、詔者「或天若日子、不誤命、爲射惡神之矢之至者、不中天若日子。或有邪心者、天若日子、於此矢麻賀禮此三字以音。」云而、取其矢、自其矢穴衝返下者、中天若日子寢朝床之高胸坂以死。此還矢之本也。亦其雉不還、故於今諺曰「雉之頓使」是也。
故、天若日子之妻・下照比賣之哭聲、與風響到天。於是在天、天若日子之父・天津國玉神、及其妻子聞而、降來哭悲、乃於其處作喪屋而、河雁爲岐佐理持自岐下三字以音、鷺爲掃持、翠鳥爲御食人、雀爲碓女、雉爲哭女、如此行定而、日八日夜八夜遊也。
此時、阿遲志貴高日子根神自阿下四字以音到而、弔天若日子之喪時、自天降到天若日子之父、亦其妻、皆哭云「我子者不死有祁理。此二字以音、下效此。」「我君者不死坐祁理。」云、取懸手足而哭悲也。其過所以者、此二柱神之容姿、甚能相似、故是以過也。於是阿遲志貴高日子根神、大怒曰「我者愛友故弔來耳。何吾比穢死人。」云而、拔所御佩之十掬劒、切伏其喪屋、以足蹶離遣。此者在美濃國藍見河之河上、喪山之者也。其持所切大刀名、謂大量、亦名謂神度劒。度字以音。故、阿治志貴高日子根神者、忿而飛去之時、其伊呂妹高比賣命、思顯其御名、故歌曰、
阿米那流夜 淤登多那婆多能 宇那賀世流 多麻能美須麻流 美須麻流邇 阿那陀麻波夜 美多邇 布多和多良須 阿治志貴多迦 比古泥能迦微曾也
此歌者、夷振也。
於是天照大御神詔之「亦遣曷神者吉。」爾思金神及諸神白之「坐天安河河上之天石屋、名伊都之尾羽張神、是可遣。伊都二字以音。若亦非此神者、其神之子、建御雷之男神、此應遣。且其天尾羽張神者、逆塞上天安河之水而、塞道居故、他神不得行。故、別遣天迦久神可問。」故爾使天迦久神、問天尾羽張神之時、答白「恐之。仕奉。然於此道者、僕子、建御雷神可遣。」乃貢進。爾天鳥船神、副建御雷神而遣。
是以、此二神降到出雲國伊那佐之小濱而伊那佐三字以音、拔十掬劒、逆刺立于浪穗、趺坐其劒前、問其大國主神言「天照大御神・高木神之命以問使之。汝之宇志波祁流此五字以音葦原中國者、我御子之所知國、言依賜。故、汝心奈何。」爾答白之「僕者不得白、我子八重言代主神是可白。然、爲鳥遊取魚而往御大之前、未還來。」故爾、遣天鳥船神、徵來八重事代主神而、問賜之時、語其父大神言「恐之。此國者、立奉天神之御子。」卽蹈傾其船而、天逆手矣、於青柴垣打成而隱也。訓柴云布斯。
故爾問其大國主神「今汝子、事代主神、如此白訖。亦有可白子乎。」於是亦白之「亦我子有建御名方神、除此者無也。」如此白之間、其建御名方神、千引石擎手末而來、言「誰來我國而、忍忍如此物言。然欲爲力競。故、我先欲取其御手。」故令取其御手者、卽取成立氷、亦取成劒刄、故爾懼而退居。爾欲取其建御名方神之手乞歸而取者、如取若葦搤批而投離者、卽逃去。故追往而、迫到科野國之州羽海、將殺時、建御名方神白「恐、莫殺我。除此地者、不行他處。亦不違我父大國主神之命。不違八重事代主神之言。此葦原中國者、隨天神御子之命獻。」
故、更且還來、問其大國主神「汝子等、事代主神・建御名方神二神者、隨天神御子之命、勿違白訖。故、汝心奈何。」爾答白之「僕子等二神隨白、僕之不違。此葦原中國者、隨命既獻也。唯僕住所者、如天神御子之天津日繼所知之登陀流此三字以音、下效此天之御巢而、於底津石根宮柱布斗斯理此四字以音、於高天原氷木多迦斯理多迦斯理四字以音而、治賜者、僕者於百不足八十坰手隱而侍。亦僕子等百八十神者、卽八重事代主神爲神之御尾前而仕奉者、違神者非也。」
如此之白而、於出雲國之多藝志之小濱、造天之御舍多藝志三字以音而、水戸神之孫・櫛八玉神、爲膳夫、獻天御饗之時、禱白而、櫛八玉神、化鵜入海底、咋出底之波邇此二字以音、作天八十毘良迦此三字以音而、鎌海布之柄、作燧臼、以海蓴之柄、作燧杵而、鑽出火云、
是我所燧火者、於高天原者、神產巢日御祖命之、登陀流天之新巢之凝烟訓凝姻云州須之、八拳垂摩弖燒擧麻弖二字以音、地下者、於底津石根燒凝而、𣑥繩之、千尋繩打延、爲釣海人之、口大之尾翼鱸訓鱸云須受岐、佐和佐和邇此五字以音、控依騰而、打竹之、登遠遠登遠遠邇此七字以音、獻天之眞魚咋也。
故、建御雷神、返參上、復奏言向和平葦原中國之狀。

標準現代語訳

天照大御神は、豊葦原之千秋長五百秋之水穂国を御子・正勝吾勝勝速日天忍穂耳命が治める国だと定めました。しかし天忍穂耳命が天浮橋から見ると、地上は激しく騒いでいたため、高天原へ戻って報告しました。高御産巣日神と天照大御神は天安河原に八百万の神を集め、思金神に、荒ぶる国神たちを誰が言向けるべきか考えさせました。
最初に天菩比神を遣わしましたが、大国主神に従ってしまい、三年たっても報告しませんでした。次に天若日子へ天之麻迦古弓と天之波波矢を授けて遣わしましたが、天若日子は下照比売と結婚し、自分が国を得ようとして八年たっても報告しませんでした。
天照大御神たちは雉の鳴女を遣わして理由を問わせました。天若日子は天佐具売の勧めで雉を射殺しました。矢は天へ戻り、高木神の前に届きました。高木神は、使命に背いていないなら矢は当たらず、邪心があるなら当たれと誓って矢を返すと、眠っていた天若日子の胸に当たり、天若日子は死にました。これが還矢の起こりとされます。
天若日子の葬儀では鳥たちが役を担い、八日八夜にわたり弔いました。姿が似ていた阿遅志貴高日子根神が来ると、遺族は天若日子が生き返ったと思って取りすがりました。阿遅志貴高日子根神は死者と同一視されたことを怒り、剣で喪屋を切り倒しました。妹の高比売命は、その名を明らかにする歌を詠みました。
次に天尾羽張神の子・建御雷神が選ばれ、天鳥船神とともに出雲の伊那佐の小浜へ降りました。建御雷神は剣を波の上に逆さに立て、その先に座って大国主神へ国を譲る意向を問いました。大国主神は、子の事代主神が答えると述べました。事代主神は国を天神の御子へ奉ると答え、船を傾けて青柴垣に隠れました。
もう一柱の子・建御名方神は力比べを挑みましたが、建御雷神の手は氷や剣の刃となり、逆に建御名方神の手は若葦のように取られました。建御名方神は科野国の州羽海まで逃げ、そこから出ず、父と事代主神の言葉に背かないことを誓いました。
大国主神は、子らの言葉に従って国を奉ると答えました。ただし、自分の住む宮を、天神の御子の宮のように、底つ石根に太い柱を立て、高天原へ届くほど高く造るなら、見えない世界に退いて仕えると求めました。出雲の多芸志の小浜に宮が造られ、櫛八玉神が御饗を調えました。建御雷神は高天原へ戻り、葦原中国を言向け和した経緯を報告しました。

言灵深層解読

葦原中国の平定は、一度の命令で終わらない。天から見た正しさと、地上で実際に働く関係の間には距離がある。最初の二人の使者は、地上へ降りた後、使命より現地の関係や自分の欲望に取り込まれた。これは、任命だけでは役割が保たれず、報告と検証が必要であることを示す。
天若日子を射た矢は、自分が与えられた目的を外れて放たれ、同じ道を戻って本人へ当たる。言灵的に読めば、言葉や力は、発した瞬間に消えるのではない。どの契約から与えられ、何のために使われたかという軌道を持ち、目的を裏切ればその歪みは発した者へ返る。
神々は、失敗のたびに別の使者を送るだけでなく、天安河原で議り、適任と役割を見直す。最終的に派遣された建御雷神は強いが、最初から斬るのではなく、大国主神、事代主神、建御名方神の意思を順に確認する。力は、問答が尽くされた後の境界として用いられる。
事代主神の静かな受諾と、建御名方神の抵抗は、同じ国の中にも異なる応答があることを示す。国譲りは、相手を一つの声へ単純化しない。承諾、抵抗、条件、退く場所がすべて語られて初めて、新しい秩序が成立する。
大国主神が求めた高い宮は、敗者への褒賞だけではない。目に見える政治を譲っても、土地の記憶、祖霊、祭り、見えない結びを消してはならないという条件である。表の統治と奥の鎮まりを分け、双方を立てることで、交代は断絶ではなく継承になる。
「言向け和す」とは、相手の声を消すことではなく、荒ぶる方向を言葉によって共有可能な方向へ向け直すことである。だからこの章の核心は、征服よりも、役割の移管を支える議論、証拠、同意、境界の設計にある。

4. 検索用正規化本文

原文欄の歴史的字体を保存しつつ、ページ内検索ではUnicode文字列として扱います。

5. 訓読・語法・異体字

正本に記録された表記を優先し、古訓・異体字の一意確定は外部校本照合までHOLDします。

6. 現代語訳

上の段落対応資料で「標準現代語訳」と明示した部分が天聞作成の訳文です。原文・TENMON解読とは見出しで分離しています。

7. 文献・教学上の文脈

『古事記』の巻・章・物語順序は正本V5の構造に従います。

8. TENMON言灵構造解読

上の段落対応資料で「言灵深層解読」と明示した部分です。古事記原文や太安萬侶の注釈としては扱いません。

9. 比較研究

比較は構造上の対応として示し、同一起源・直接継承・史的同一性の証明には用いない。

10. 未確定事項・反証・HOLD

固有名詞の古訓、史的年代・場所・系譜、他伝承との直接同一性は必要な一次資料照合が終わるまでHOLDです。

11. 証拠・確度

原典=A0、天聞作成の現代語訳=A1、TENMON構造解読=E5、比較仮説=E6として分離する。

12. 出典・巻・頁・行

上巻 第10単位

13. 関連項目

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