TENMON JITEN
カタカムナ第75首とは|凪から八方神へ開く歌

PDF画像配置順に基づく正典校正済み。
原文
ナキ ウム カム ナカラ イホ ハラ ハメ ヤホ ウツシ クマリ ワク ムスヒ
トヨ ウケ ヒ メ カム ナカラ オキ ホト ムツ ナキ サキ トコ カムミ
マリ アメノ ヤタカミ アメノ ソマ
正規化
ナキウムカムナカライホハラハメヤホウツシクマリワクムスヒトヨウケヒメカムナカラオキホトムツナキサキトコカムミマリアメノヤタカミアメノソマ
中心図象
印のミタマ
解読ステータス
- 原文確認: PDF画像配置順に基づく正順
- 中心図象: 印のミタマ
- 解読方式: 言霊秘書の水火・五十連・言戻法則 × サンスクリット音義照合
- 裁定: 語源断定ではなく、音義・法則・真言構造の照合として扱う
主題
第75首は、第74首で天写しと黄泉読みの統合から種が生まれ、八方直霊に正された水火が、船・山・海・谷戸・国人を通じて、天水を含む生命運行へ移った後、その生命運行を、ナキウムとして凪の中から産み、カムナカラとして潜象の法のまま通し、イホハラハメとして五百の原・腹を嵌め、ヤホウツシとして八方へ写す歌である。
さらに、クマリワクムスヒによって隈・奥の霊核が分け湧き産霊となり、トヨウケヒメがそれを豊かに受ける。後半では、再びカムナカラの法に入り、オキホトムツとして奥の火処・御門を睦ませ、ナキサキで凪の先を開き、トコカムミマリとして常の神身を丸め、アメノヤタカミ・アメノソマとして天の八方神性と天の杣・素材場へ進む。
第74首 = 統べ返し・八方直霊・天写し黄泉読み種生み・八方丸まり・船見山掘り・豊海・潜象天水息・船先国人・天食船。
第75首 = 凪生み・五百原腹嵌め・八方写し・隈霊分け産霊・豊受女水・奥火処睦み・常神身丸まり・天八方神・天杣。
言霊秘書との整合
言霊秘書では、火水は一に凝り、二に分かれ、息となり、音となり、言戻となり、形へ現れる。生成は、凪ぎ、分け、結び、受け、また中心へ戻る循環である。
第75首の「ナキウム」は、凪から生むことである。荒れた波からではなく、凪いだ火水の中から新たな生成が始まる。第73首のナキウツシ、第74首のスヘカエシを受け、ここでは静まった水火が産む力へ変わる。
「イホハラハメ」は、五百の原・腹・多重の場を嵌める働きである。生命運行は、抽象的な一つの場ではなく、多重の腹・原・身の場へ嵌まることで具体化する。
中心図象が印のミタマであるため、八方写し、隈り、奥火処、常神身、天八方神は、すべて正中の印から外へ広がり、また内へ丸まる水火運動として読む。
サンスクリット音義照合
| 音 | 言霊法則 | サンスクリット照合 | 裁定 |
| ナキ | 凪・静まり | śānti / niḥśabda | 静まり・無音 |
| ウム | 産む・生む | jan / sambhava | 生成・出生 |
| カムナカラ | 潜象の法のまま | kāma / ṛta / svabhāva | 本性のまま流れる創造衝動 |
| イホ | 五百・多重 | bahu / śata / pañca | 多数・百・五 |
| ハラ | 原・腹・広がる場 | garbha / udara / kṣetra | 胎・腹・場 |
| ハメ | 嵌める・結び入れる | bandha / nyāsa | 結合・定置 |
| ヤホ | 八方・多方 | aṣṭa / bahu | 八方・多方 |
| ウツシ | 写し・現し | pratibimba / ābhāsa / rūpa | 反照・現象化 |
| クマリ | 隈り・奥の霊核丸まり | guhā / koṇa / maṇḍala | 奥・隅・円環 |
| ワク | 分け・湧く | vibhāga / utsa | 分化・湧出 |
| ムスヒ | 結び・産霊 | yuj / sambhava / bandha | 結合・生成 |
| トヨウケヒメ | 豊かに受ける女水 | pūrṇa / graha / devī | 豊穣・受容・女神 |
| オキ | 奥・沖・置き | antara / udaka / pratiṣṭhā | 奥処・水域・定置 |
| ホト | 火処・御門・生命口 | agni-sthāna / yoni / dvāra | 火処・胎・門 |
| ムツ | 睦む・六つ・結び合う | yuj / ṣaṭ / saṃgama | 結合・六・合流 |
| サキ | 先・裂き・咲き | agra / cheda / vikāsa | 先端・開き |
| トコ | 常・床・土台 | nitya / sthāna | 常住・場 |
| カムミ | 潜象の神身 | garbha / kāma / deha | 胎蔵・潜在身 |
| マリ | 丸まり・凝り | maṇḍala / granthi | 円環・結節 |
| ヤタカミ | 八方神性 | aṣṭa / deva / īśa | 八方・神性 |
| ソマ | 杣・素材場・月水 | soma / dravya / vana | 月水・素材・森 |
句ごとの真相解読
ナキウム
ナキは凪、ウムは産むことである。
ナキウムとは、静まった水火から新しい生成が生まれることをいう。荒れの鎮静が終点ではなく、凪そのものが生成の母胎になる。
カムナカライホハラハメ
カムナカラは潜象の法のまま。イホは五百・多重、ハラは原・腹、ハメは嵌めることである。
これは、潜象の法のまま、多重の原・腹へ水火を嵌め込むことを示す。第74首で生まれた種が、多層の腹場へ定置される。
ヤホウツシ
ヤホは八方、ウツシは写しである。
ヤホウツシとは、八方へ水火を写すことを示す。多重の腹へ嵌まった火水は、八方の場へ反照される。
クマリワクムスヒ
クマリは隈・奥に丸まる霊核である。ワクは分け湧く、ムスヒは産霊である。
クマリワクムスヒとは、奥に丸まった霊核が分かれ湧き、産霊へ結ばれることをいう。
トヨウケヒメ
トヨウケヒメは豊かに受ける女水である。
分け湧いた産霊は、受け場がなければ散ってしまう。ここで豊受女水がその働きを受け、養い、次の生成へ渡す。
カムナカラオキホトムツ
オキは奥、ホトは火処・御門、ムツは睦むことである。
カムナカラオキホトムツとは、潜象の法のまま、奥の火処・生命門が睦み合うことを示す。これは深部の火水門が調和する段階である。
ナキサキ
ナキは凪、サキは先・咲きである。
ナキサキとは、凪いだ状態から先端が開き、咲くことである。
トコカムミマリ
トコは常・床、カムミは神身、マリは丸まりである。
トコカムミマリとは、常なる床に神身が丸まり、安定した霊核として定まることをいう。
アメノヤタカミ・アメノソマ
アメノヤタカミは、天の八方神性である。アメノソマは、天の杣・素材場、また月水の Soma と響き合う天の潤いである。
第75首は、最後に天の八方神性と天の素材場へ開く。これは次の生成のための天的資源場である。
真相訳
凪いだ水火から、新しい生成が生まれる。
潜象の法のまま、多重の原・腹へ水火が嵌められる。
それは八方へ写される。
奥に丸まった霊核は分け湧き、産霊となる。
豊受の女水がそれを受ける。
奥の火処は睦み合い、
凪の先が開く。
常の神身は丸まり、
天の八方神性と天の素材場へ進む。
最終裁定
第75首は、ナキウムで凪から新生を起こし、イホハラハメで多重原腹へ水火を嵌め、ヤホウツシで八方へ写し、クマリワクムスヒで奥霊核を分け湧かせ、トヨウケヒメで受け、オキホトムツ・ナキサキ・トコカムミマリを経て、アメノヤタカミ・アメノソマへ展開する歌である。
一首の核:
天水を含む生命運行は、凪から新たに生まれ、多重腹へ嵌まり、八方へ写され、豊受女水に受けられ、天の八方神性と素材場へ開く。
接続
第74首 = 統べ返し・八方直霊・天写し黄泉読み種生み・八方丸まり・船見山掘り・豊海・潜象天水息・船先国人・天食船。
第75首 = 凪生み・五百原腹嵌め・八方写し・隈霊分け産霊・豊受女水・奥火処睦み・常神身丸まり・天八方神・天杣。
第76首 = この天八方神と天素材場を受け、さらに心身水火・言事・現象化の次段階へ進む。